栃木ヌメ、栃木ヌメと言っていますが、勿論栃木ヌメは高級なレザーなのですが、7SENSEではそれに手間暇かけて沢山オイルを含ませた物を特別にオーダーしております。

それはさらにコストのかかる高級なレザーとなります。(それにより革の柔軟性と粘りけが大きく変わりデザイナーのイメージ通りの最良の革となります。)

初期は、革屋からもこれは勿体無さすぎて内側に使う革ではないとも言われてきた物です。

内側は、コインケース内部、表から見えない隠しポケットの内側までも、表革を使用している為、ラウンドジップ長財布を1つ作る為に、膨大な量の高級な栃木ヌメを必要とします。

しかし、今では｢こんな高い革を沢山愛して使ってくれてありがとうございます。｣と言われるほどに。

革屋さんも自分で丹精込めて作った、この沢山オイルの含んだ栃木ヌメが大好きなんだとか。

使っていくと良さが引き出されるその革を内側に使うというのは当初は想定外だったんだと思います。そんな事をするのが贅沢ではなく、無駄使いぐらいに思っていたのかも知れません。

そして内側の構成させるカードケースやコインケース、マチ等全てに型があります。

基本的にその部分は型屋さんに出して抜いて貰うのが当たり前なのですが、7SENSEでは全て職人が手裁ちをしております。(1から最後まで全ての工程を熟練した1人の職人が仕立てます。そこまで聞く事もあるかも知れませんが、漉きから各部分の手裁ちまでもです。)

本来はその型の部分を任せれば、1度に30個ぐらいのラウンドジップ長財布を作るので、大きな時間の短縮にはなります。しかし時間がかかってもそれはしません。(ですのでまとめて作っているのに、30個作るのに45日程かかってしまいます。)

内側の全ての部分に表革がくる分、部分により細かな薄さの調整等が行われます。

クロコダイルやシェルコードバン、エレファントや、シャーク等、様々な革がありますが、それぞれに合わせて、裏材の厚さや、内側の部分も卓越された職人の感覚で微調整をしているので、他人に任せる事が出来ないのです。

それとHORWEEN社のシェルコードバンですが、7SENSEでは漉く事を良しとしない為、漉きません。

一定の薄さに漉いてしまえば、製作も楽ですし、裏側のスタンプ側と表側と分けてどちらも使えると思います。それが基本的と言った所でしょうが、それはシェルコードバンの良さが半減してしまう為行いません。

しかしシェルコードバンは一枚の中で厚さが均一ではありません。そこも見えない裏側でしっかりと細やかに調節しているのです。そこまでやらなくてもと言われるような事ですが、そこも大きなこだわりです。(こだわったからと言って、経験値と熟練された技術と繊細な感覚がないと出来ない事なのです。)

ザックリとしたシェルコードバンのラウンドジップ長財布を製作しているのなら良いですが、全て表革を内側で使う繊細な作りですから、技術と時間が沢山必要となります。

やはり想像力のあるデザイナーと、技術力のある職人が妥協無しで、力を合わせて作ると、素晴らしい物が出来ます。

そして、コストを下げようと思えばクロコダイル等を使用した高級財布でも、内側の革は1/10ぐらいが基本的ですし、内側も作り方を変えれば、その部分でも半分ぐらいに絞れますが、それをしてしまったら作る意味が無くなってしまいます。全てはデザイナーな使いたい財布を作るというのがテーマで、横暴のように聞こえるかもしれないですが、これほど信用出来る部分もないと思っています。

出来上がった、魂のこもった製品に対面する時は、スタッフ一同が子供のようにわくわくします。(時々同行しますが、仕入れから気合いの入り方や真剣さが半端ではないですからね。デザイナー、職人の2人のミーティングは毎回数時間とかかります。その時間て財布の代金に含まなくていいんですか。。といつも思いますが含まれておりません。)

その強いこだわりの財布を是非使って頂けたら幸いです。